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SMI(サンデン経営研究所) メールマガジン 第9号
編集者のつぶやき
■問題解決[品質管理ツールの使い道]って何?(第6回)
●実際にやる仕組みをつくる (標準化、定型化、IT化、ポカヨケ、識別)
さて、皆さま、今回は『編集者のつぶやき』「問題解決[品質管理ツールの使い道]って何?」 の連載?第6回です。前回の第5回では、効果の具合を検証する(データをみる、有意差検定、 正規分布外れ)でしたね。息切れしないように、かつ、本メールマガジンの趣旨としての「あり のままで肩の凝らない読み物」として、真に役に立つ情報を発信していくという方針で、あまり 頑張らない程度にありのままに発信して参ります。
●まず、標準化って何?
「標準化」って、品質管理に縁のない方々には、なじみの薄い言葉ですね。あえて、自分 流に定義するとすれば、『誰がやっても同じ結果にたどり着くための、合理的な仕組み』で すかね。何ぃ?、余計に訳が分からないって?じゃ、もう少し噛み砕いて説明しますね。
ある組織の方針として、全員が今年中に富士山頂に 登るというミッションを決めたとしましょう。話が極端す ぎるって?まあ、そういわずに付き合ってください。
誰が考えても、「楽して」「早く」「安全に」「楽しく」「確 実に」ミッションを達成したいに決まっています。
でも、富士山への登り方って、麓(ふもと)から登った り、五合目から登ったり、途中で山小屋に泊まるのか、 弾丸日帰り登山かとか、いろいろな方法がありそうで す。極端な場合、富士山に登っていたつもりが、実は 群馬の榛名富士に登ってたりして・・・?
こういうときにこそ、“富士山頂への登り方”みたいな マニュアルが標準化されてると、便利ですよね。
●定型化、ってどういうこと?
皆さんの中で、マクドナルドが嫌いなひとは少ないと思います。どんな初めての街 へ(たとえ外国に)行っても、そこに行けば世界中、大体同じハンバーガーとコーヒー にありつけることを、皆知っていますよね。
自分が中国に赴任していたころ、生産拠点の 監査が終わったあと、アメリカから来た監査員さ んから、「麦当労」(Mài dāng láo)の場所を教え て?と聞かれました。これって、McDonald‘sの中 国語での言い方ですね。
つまり、接客と料理の手順が、世界中のお店で定 型化・標準化され、マニュアルになっていて、ちゃん と教育訓練を受けて習得した店員さんが、販売する からこそ、実現できることなのですね。
ここでは接客サービスという手順(プロセス)の重 要性が理解できますね。
定型化・標準化するために文書化・映像化したも のを一般的に「業務マニュアル」と呼んでいるようで す。また、モノづくりの業界では、「作業標準」といっ たり、単に「手順書」と呼んだりしていますね。
こういった定型化・標準化(文書化や映像化など) はヒトの入れ替わりが多い現代では、必須のもので すね。
●IT化ってな~に?
「 さ~て、では、「IT化」というもののイメージを掴みましょう。そもそもITって、何でしたっ け?そうです、Information Technology(情報技術=コンピュータと通信を使った活用 法)とでも呼びましょうか?
つまり、現代ではIT(= Information Technology:情報技術)を上手く使うと、先ほ どの「定型化」 「標準化」が、とってもラクラク できちゃうんですね。
お店で食事を注文する端末(=タブレット端 末)がそのよい例ですね。アルバイトさんが、 料理の種類や味なんか、何も知らなくても ちゃんとお客さんの注文を、完ぺきに受ける ことができます。
少し前までは、お店に住み込みで働いて3 か月くらいかけて覚えていた仕事が、現代で は入店して2~3日で出来ちゃいますね。
さらに、最近ではお客さん自身のスマホで、 テーブルやメニューのバーコードを読んで注 文が出来ちゃうお店まで現れています。
モノづくり業界では「作業標準」や「手順書」 までIT化する企業も増えていますね。
●ポカヨケってな~に?
さて、ここで少し、本題にもどって「ポカヨケ」のお話です。
「ポカヨケ」とは、シゴトや動作の手順や仕 方を間違えようにも、絶対間違えないように 工夫された巧妙な仕組み、とでもいいましょ うか。
そうです「私、(絶対)失敗しないので。」の アレですね。
最近の例でいけば、そうです、あのクルマ の「自動ブレーキ」がそのよい例です。
また、家電機器や設備・スマホなどでも、 最近は、間違った使い方をしようすると、ア ラームを発して、その行為自体ができないよ うな仕組みになっているものも多いですね。
自分が、今世の中のひとに一番構築して ほしい「ポカヨケ」は、スマホ忘れを絶対しな い「ポカヨケ」ですかね。
※あとは、議員さんに不正行為防止「ポカヨケ」を (↑ひとりごとです)
●識別とは?
さて、最後に、「識別」のお話です。 さて、最後は「識別」という考え方のお話しです。カンタンにいえば『「これ」と「あれ」で
違うものを一緒にしないで、ちゃんと管理する仕組み』とでも定義しましょうか?
もっと判り易くいえば、ワタシ「他人と違うんだか ら」一緒にしないで・・・、という考え方のお話しで す。
資源のリサイクルでいえば、右のような識別標 識は絶対必要ですね。
これをモノづくりの世界でいえば、「良品」と「不 良品」を取り違えて混ぜてしまった(混入といいま す)とか、原材料の「生乳」と「生クリーム」を取り違 えたとかですが、スーパーでも右のようなこと(ラ ベル誤表記とか現品相違とかいいます)もありま すね。
極端な例では、病院での患者取り違えや臓器取 り違え事件は、悲惨ですね。
ことに、複数の人が多種のモノ(ひと)やコトなど を対象に取り扱う場合は、こういうことまでキチン とやる必要がありますね。いろいろな事業などで、 このミスは比較的大きな損害・損失や信用の失墜 につながることが多い事象なので重要です。