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SMI(サンデン経営研究所) メールマガジン 第10号

SMI(サンデン経営研究所)
メールマガジン 第10号
【本号のテーマ】 ・編集者のつぶやき
「品質管理ツールの使い道」って何?(第7回) ※編集後記<編集者より>


サンデン経営研究所・和館外観

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編集者のつぶやき
■問題解決[品質管理ツールの使い道]って何?(第7回)
●やった効果を検証する (PDCAとD-MAIC、見える化、異常値管理)

さて、皆さま、今回は『編集者のつぶやき』「問題解決[品質管理ツールの使い道]って何?」 の連載?第7回です。前回の第6回では、実際にやる仕組みをつくる(標準化、定型化、IT化、 ポカヨケ、識別)でしたね。息切れしないように、かつ、本メールマガジンの趣旨としての「あり のままで肩の凝らない読み物」として、真に役に立つ情報を発信していくという方針で、あまり 頑張らない程度にありのままに発信して参ります。

・PDCAサイクルって何?
品質管理の教科書には、必ずといっていいほど「PDCAサイクル」についての説明が 載っています。ほんとうに、そんなに効果のある検証法なのでしょうか?実は、第7号の編 集後記で、ちょっとだけ紹介はしましたよね。
PDCA(ピー・ディー・シー・エー)
の各段階は、一般的にはそれぞ れ以下のように定義されています。
P(Plan):計画を作成する D(Do):計画を実行する C(Check):行動を評価・分析する A(Action):改善し次回に繋ぐ

・PDCAの何がいけないのか?

前ページのPDCAサイクルのイラストをみて、何がおかしいの? と思う方は多いでしょう。
そもそも、組織運営の「計画(P:Plan)」がちゃんとしていないの に、「評価・分析(C:Check)=反省」ばかりしている組織や企業体 は意外と多いものです。
そういう組織や企業体は、往々にして「一に行動、二に反省」 的な、積み上げ式事業のスローガンを掲げている場合も多いで すね(汗)

つまり、PDCAの本当に意図している姿は、一 つの行動がステップになって、次の段階では、さ らにレベルの高い行動ができるように、意図され たものなんですね。
これは、スパイラル・アップという思想です。
ところが、同じサークル(円周)の上をグルグル 回っていて、一向に進化(=深化・真価)した行動 に移れない組織や企業体は意外と多いですね。
そこで、次にD-MAICという考え方が出てきます。

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・D-MAICってな~に?
さ~て、では、「D-MAIC」というもののイメージを掴みましょう。D-MAIC(ディーマイ ク)の各段階は、一般的にはそれぞれ以下のように定義されています。

D(Define):定義する
M(Measure):測定する
A(Analyze):分析する
I(Improve):改善する
C(Control):管理する

PDCAとの一番の違いは、D (Define) でモノ・コトがどうであるべきか、とい う定義を最初にしっかり決めることな んですね。
さらに、P(Plan):計画のところにしっかりパワー(労力)を投入して万全を期し、『わ たし、(絶対)失敗しないので』ということなんです!
この手法は、シックス・シグマという考え方から生まれています。
さぁ、どうですか?こちらのほうが、より厳密に事業やモノ・コトをきっちり進めているイ メージがありますよね。もし、PDCAのほうがまだ「しっくりいく」という方がいらっしゃった ら、まだPDCAのレベルを卒業していませんので、もう少し“修行“が必要ですね。

・見える化をやってみよう!
さて次は、「見える化」のお話しです。これは「見えるか?見えないか?」という視力検 査みたいなお話しじゃありません。あえて定義すると、『これまで誰も意識していなかっ た事象が、どうなっているか判るようにすること』とでもしましょうか?
ここで判るというのが、すごく大事な表現なのですが、 とりあえず、なんだか判らないまま話を進めましょう か?
ちょっと特別な例ですが、原子力発電所(原発)の周 辺にある、モニタリングポストというものをご存じです か?
そうです、原発で何か異常なことが起こった時、その 周辺の放射線量が増えていないか監視する装置のこ とですね。
これまで、あまり気にしないでいればそれで済んでいた事象も、気になりだすとずっ と気になるものですね。
そのための監視装置「モニタリングポスト」は、まさに「見える化」の代表例ですね。
これを皆さんのシゴトや事業に置き換えたら、いったい何になりますか?ちょっと考え てみましょう? 絶対起っちゃ困ることを、何か変なことが起こっていないか、傾向的に 見る(視る・観る・診る)仕組みなんて、皆さんお持ちでしょうか?

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・異常値管理について
最後に、「異常値管理」についてです。この言葉はあまり一般的でなくて、あえて表現す れば「異常を検出する考え方とその時の対処方法」というお話しのことです。現代の言葉 では「アラートの出し方とその対応」とでも申しましょうか?
品質管理の教科書では、よくエックス バー・アール(Xbar-R)管理図とピー(p)管 理図というのが載っています。
これらでは、アラート(警告や警報)を出す 基準(管理限界線という)を予め決めて、そ れを超えたらアラートを出すという運用にし ているようです。
ただ、このやり方は真の異常をうまく検出 していないような気がしてならなくて、むしろ このようなバラツキや偶然の変動に基づくも のより、もっと異常な事態をちゃんと検出す る必要性を感じます。

ただし、このアラートも頻繁に発出すると、オオカミ少年になってしまいますので、精度 が必要ですが、ホントウに異常だと確信できるような情報をつかんだ時点では、もう手 遅れのことが多いのも事実です。
もうここまでくると、これは品質のテーマじゃなくて、事業継続(BCP)だったり、確実に経 営のテーマということになりますね。何が起きても『わたし、(絶対)失敗しないので』とい えるような「見える化」をやって、異常が「判る」ように常時見る(視る・観る・診る)ことが大 事だとお分りいただけましたか?

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※編集後記<編集者より>
●中国の自動図書館

第7号で、サンデン・リテールシステムの冷 凍自販機「ど冷えもん」を紹介しましたが、海 外(中国)でこんな自販機(自動貸借機)を見 つけました。

たしか、厦门(アモイ)の市街地を散歩して いて見つけた「24時間自動図書館」です。中国のひとはみな個人の身分証(身份证 : Shēnfèn zhèng)をもっていますから、それで無料でCDや図書を借りることができます。返 却もこの機械に投函すればOKです。

こういうコトづくりの発想が、日本にも必要で すね。マイナンバーカードの使い方も、こうい うのを見習ったほうがいいかもです。ねえ、IT 担当大臣さん・・・
これだと、そもそも冷凍庫のように「冷やす」 必要はないけどね。

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Date:2023/03/10
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